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海画廊 今月のおすすめ

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向山喜章 「Luminouspega px.-P」 「Zodionvega px.-P」 紙に水彩、ワックス

【作品のご紹介】

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Title:Luminouspega px.-P
年代:2010年
技法:紙に水彩、ワックス
額サイズ:85×52.8cm
サイン:裏面に有
プライス:お問い合わせ下さい

閉じた目をゆっくりと開け、この作品をご覧になってみてください。
皆様はまずどのような感覚をお持ちになるでしょうか。

ぼんやりとした光。
まぶしいような、優しく包み込まれるような、不思議な存在感を湛えています。

作者の向山喜章は、ワックス(蝋)を用いた作品を主軸に制作し、一度見たら心に刻まれるその作風は日本国内だけでなく海外でも広く受け入れられ、各地で発表を重ねています。

幼少の頃に仏教の聖地、高野山で過ごした体験が、芸術家としての創意の大きな源泉となりました。
向山は、目に見えない「光」を可視化させる試みによって、崇高な精神性を表現しようとしたのです。

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Title:Zodionvega px.-P
年代:2010年
技法:紙に水彩、ワックス
額サイズ:85×52.8cm
サイン:裏面に有
プライス:お問い合わせ下さい

ご紹介する2点の作品では、水彩で色とりどりの矩形が描かれた紙の上に厚みのあるワックスが重ねられています。
光を当てると半透明のワックスを通して深層の色彩が滲み出すかのように見えます。

「光」があって初めて存在する「色」。
まるでそれ自体が明るく輝いているかのように思える向山の作品と対峙すると、私たちがいま目の前に感じるものが「光」なのか、「色」なのか、あるいは「見る」という行為そのものの根源性なのかを考えさせられます。

ぜひ海画廊にて、その神秘的な光の世界をお楽しみいただければ幸いです。

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向山 喜章 Kisho MUKAIYAMA

1968年 大阪府生まれ
1998年 「Cool Touch‐クリテリオム35」(水戸芸術館、個展)
2001年 「拡張する絵画‐色彩による試み」(佐倉市立美術館、グループ展)
2006年 「The Missing Peace」(UCLAホーラー美術館、グループ展)
2014年 「Towards the Future」(カドーロ、グループ展)

国内外の画廊・美術館にて精力的に発表している他、企業と連携したパブリック・アートや、美術館による所蔵も多数。
現在、東京を拠点に活動。

ただいま、六本木の森美術館で開催中の「宇宙と芸術展」に、2005年制作の2点が出品されています。
ワックスを通して浮かび上がる円形の光で「宇宙」を表現した大作で、会期終了後には森美術館に収蔵される予定になっています。
ぜひ、会期中に足をお運びくださいませ。

展覧会公式HP
会期:2016年7月30日~2017年1月9日



新入荷の情報は海画廊HPで随時更新しています。↓
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お問い合わせはこちらへお願いします。↓
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千代田区神田神保町1-1
三省堂書店4F
03-3233-3359
(10:00-20:00) 年中無休
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by umigallery-san | 2016-10-21 15:30 | 日本人作家 抽象

山本容子 「Folklore」 版画集

【作品のご紹介】

リニューアルブログ 「海画廊 今月のおすすめ」 初回としてご紹介させていただくのは、日本を代表する人気版画家・山本容子の版画集です。

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「SHE」


Title: 版画集「Folklore」
年代: 1990年
技法: 手彩色エッチング
イメージサイズ: 24×20cm
シートサイズ: 38×33.8cm
サイン: 各シートに有
プライス: お問い合わせください


この「Folklore」は、村上春樹の短編『我らの時代のフォークロア―高度資本主義前史』が1989年に雑誌「SWITCH」に掲載された際に山本容子が担当した挿画を5葉収録した版画集です。

それぞれがサイン入りの作品となっておりますので、一枚ずつ額装してお楽しみいただくのもおすすめです。



それでは、作品を物語の進行とともに見ていきましょう。

この小説の登場人物は、語り手「僕」と友人「彼」、そのガールフレンド「彼女」の3人。

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「FRIENDS」
Sold Out

「僕」が偶然イタリアの町で再会した「彼」が、昔の恋人「彼女」との過去を語る、という構成です。
この場面ではレストランで「僕」と「彼」が食事をしています。
「きのこ料理を出すレストラン」、「上等の赤ワインを注文」というテキストの描写が忠実に再現されています。

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「HE」


「彼」は「彼女」のことを心から愛し、所有し、所有されたいと感じていました。

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「Mr. and Miss CLEAN」
Sold Out


絵に描いたような理想的な恋人、「ミスター・クリーン」と「ミス・クリーン」。
しかし、「彼」と「彼女」の間には、愛情表現や人生観において大きな違いがあったのです。

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「He and Dog」


思春期ならではの、そして1960年代という時代特有の葛藤を抱く「彼」と「彼女」。
ともに時間を過ごし、語り合い、愛の言葉を掛け合っても、決して埋まらない溝がある。
二人の関係にもその後、意外な展開が起こり始めます。


村上春樹は冒頭で、

「これは実話であり、それと同時に寓話である。そしてまた、我らが1960年代のフォークロア(民間伝承)でもある。」

と語っています。

特定の個人の出来事のようでいて、誰にでも当てはまる、儚く、危うく、もどかしい感情の揺らぎを感じることができるストーリーです。

山本容子は、村上春樹のこの短編世界を、色彩の抑揚をつけた独特の世界観で表現しました。

物語を読んだことがある方はよりお楽しみいただけ、まだ読んでいないという方も想像力を掻き立てられる、大変魅力的な作品です。



山本 容子 Yoko YAMAMOTO

銅版画家 

都会の人々の生活や、音楽・文学などのカルチャーを、リズミカルで繊細なタッチと洒落た色彩で描く作風で知られ、版画作品だけでなく、書籍の装丁や挿画、パブリック・アートなど、活動は多岐に渡ります。

1952年 埼玉県生まれ、大阪育ち
京都市立芸術大学西洋画選考科修了
1980年 京都市芸術新人賞受賞
2011年 京都美術文化賞受賞
2013年 京都市文化功労者

(上記略歴 山本容子オフィシャルサイトより一部抜粋)



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by umigallery-san | 2016-10-06 14:42 | 日本人作家 具象