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海画廊 今月のおすすめ

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今井俊満 油彩作品

【作品のご紹介】

ここ関東も梅雨入りが発表され、じめじめと蒸し暑い季節となって参りました。

今月は、来たる夏にふさわしい、パワーみなぎる1枚をご紹介いたします。


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Title: Untitled
年代: 1963年
技法: 紙に油彩
サイズ: 32×25cm
サイン:有
プライス: お問い合わせください


作者は今井俊満。

1940年代半ば頃のヨーロッパを中心とした各国では、絵の具をキャンバスに激しく叩き付けるように厚塗りする抽象芸術が旋風を巻き起こしていました。
1952年に渡仏した今井は、留学中にフランスでのこうした運動に相当する「アンフォルメル」に日本人初として加わります。
そして、制作だけでなく同派の数々の優れた作家たちを日本に紹介した点でも大変大きな功績を残したのでした。


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1980年代以降の「琳派」をテーマとした作品群や、晩年の「コギャル」シリーズなど、常に新しい表現を展開した今井。
壮年期の1963年に制作された本作では、小さなグリーンの円を中心として、放射線状に光が放たれているかのような劇的な情景が描かれています。
幾層にも重ねられた絵の具は、さらにその上からペインティングナイフで削り取られ、重厚なマチエールが生み出されています。


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複雑に混ざり合う黒、白、黄に加え、よく見るとネオンピンクのような鮮やかな暖色が細かな飛沫となって散りばめられています。


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キャンバスではなく紙を支持体としているとは思えないほどの迫力です。
厚みのあるパネルにセットされ、アクリルボックスの額に入っております。


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裏面には今井の直筆サインと年記。
サインの周辺にも絵の具が飛び散り、絵筆を片手に制作していた当時の臨場感さえ感じます。


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「アンフォルメル」を中心とした表現主義的な抽象絵画は、戦争や抑圧された社会的背景の不条理が誕生の根源となっている、と言われています。
画家たちはやり場のない感情を色彩に託し、激しく画面にぶつけ、そしてそれを執拗に削り取ることで、自身の存在や芸術の行く先を手探りで求めていたのかもしれません。

世界的にいま高く再評価されている戦後美術。
中でもこちらの今井俊満の貴重な油彩画は、比較的小ぶりでディスプレイもしていただきやすい作品です。

店頭にて、ぜひ「熱い抽象」をご体感くださいませ。
皆さまのご来廊を、お待ちしております。



今井俊満 Toshimitsu IMAI

1928年 京都に生まれる
1952年 渡仏。1960年代末までパリに定住
1955年 日本人初の「アンフォルメル」の主要メンバーになる
1960年 ヴェネチア・ビエンナーレに日本代表として出品
1983年 レジオン・ドヌール勲章オフィシエ受章
2000年 余命宣告を受け、東京・銀座にて「サヨナラ展」を開催
2002年 73歳で死去



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info@umigallery.net
千代田区神田神保町1-1
三省堂書店神保町4F
03-3233-3359
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# by umigallery-san | 2018-06-10 10:48 | 日本人作家 抽象

菅木志雄 水彩作品

【作品のご紹介】

新緑が美しい季節になりました。
ただいま海画廊では、「初夏のアートポスター展」を開催中です。
珍しいリトグラフポスターを多数展示販売しておりますので、ぜひご来廊くださいませ。


今月のブログでは、前回ご紹介した原口典之も所属する「もの派」の中心メンバー、菅木志雄の作品をピックアップいたします。


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Title: 囲界-9
年代: 1987年
技法: 紙に水彩
サイズ: 26×38cm
サイン:有
プライス: お問い合わせください



石や木、ガラスの他、金属などの工業製品、可変性のある水や蝋を用いた立体、インスタレーション、絵画作品を手がける作家、菅木志雄。
在学中に「第11回シェル美術賞」を受賞するなど、初期の頃より目覚しい活躍をし、高い注目を集めています。

1960年から70年代の美術界では、作品と素材との関係性を問い直すことに対して、世界的に目が向けられていました。
その中で菅は「もの派」の作家として、「物質」とそれが置かれる「場」の相互作用によって生じる「風景」をテーマとした制作を一貫して続けています。


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グリーン一色のシンプルな抽象画です。
画面いっぱいに描かれた矩形の輪郭はラフなタッチでぼかされて、さらに右上の空間へと展開を見せています。

タイトルの「囲界」とは、「囲まれた世界」という意味でしょうか。
絵画作品の中の「地」と「図」の境界はどこにあるのかを、鑑賞者である私たちに問いかけているのかもしれません。


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壁に展示してみました。
作品がひとつの「モノ」として新しい景色を作り出し、空間をとても豊かなものにしてくれています。

現代美術を牽引する作家の、直筆サインが入った貴重な一点ものです。
今の時期に特におすすめの爽やかな色合いの絵柄に、上質な白木の額縁が良く合っております。
お部屋のイメージチェンジや、コレクション・アイテムにいかがでしょうか。

ただいま海画廊の店頭にてご紹介しております。
ご興味おありの方は、どうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。



菅木志雄 Kishio SUGA

1944年 岩手に生まれる
1968年 多摩美術大学絵画科卒業
1967年 「第11回シェル美術商展」にて1等賞受賞
1978年 ヴェネチア・ビエンナーレ参加
1986年 「前衛芸術の日本」(ポンピドゥー・センター)参加
2015年 東京都現代美術館にて個展
2016年 毎日芸術賞受賞

東京都現代美術館、ダラス美術館、グッゲンハイム・アブダビ、テート・モダンなど、国内外の数々の美術館に作品が収蔵されている。



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# by umigallery-san | 2018-05-10 12:37 | 日本人作家 抽象

原口典之 平面作品

【作品のご紹介】

先日の季節はずれの雪景色に驚かされたのもつかの間、
そろそろ桜の見頃も終盤に近づいた、ここ東京。

海画廊では、4月より「スプリング・フェア」と題し、新生活のスタートに飾りたいスタッフ一押しの作品を展示販売いたします。

今回はその中から、戦後の美術運動「もの派」のメンバーとして活動を続ける作家、原口典之による平面作品をご紹介します。


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Title: Green 98-1
年代: 1998年
技法: 紙にアクリル、コラージュ
サイズ: 63×44.8cm
サイン:有
プライス: お問い合わせください


1977年、ドイツのカッセルで4年ごとに開催される「ドクメンタ6」に日本人初の招待作家として参加し、鉄製のプールに廃油が満たされたインスタレーション「オイルプール」を発表した原口。
周囲の環境をオイルの表面に映り込ませ、反転したもうひとつの視覚空間を生み出した作品は、美術界に大きな衝撃を与えました。

今日に至るまで、現代社会における物質のあり方をテーマに、廃油や金属、ポリエステルなどの工業製品や、軍用機や自動車の一部を素材とした立体作品・インスタレーションを多く手がけています

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こちらの《Green 98-1》は、少し厚手の紙の上にアクリル塗装された紙をコラージュした、貴重な一点ものの作品です。

白い画面の中央に緑色の正方形を配した、とてもシンプルな構図。
覗き込む鑑賞者や飾られた空間を映し出すつややかな表面は、
鏡のようでもあり、あるいはぽっかりと開いた窓のようでもあります。

一切の装飾性がそぎ落とされ、それぞれの素材や形体の持つ存在感がいっそう際立っています。

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明るいグリーンは、これからの新緑の時期にもぴったりなのではないでしょうか。

少し難しい印象の現代アートも、「お部屋のコーディネート」や「季節感」という視点で選んでみると、より身近に感じられるかもしれません。

ただいま本作品は、海画廊の店頭にてご紹介可能でございます。
皆様のご来廊、お問い合わせをお待ちしております!



原口典之 Noriyuki HARAGUCHI

1946年 神奈川に生まれる
1970年 日本大学芸術学部美術学科卒業
1976年 シドニー・ビエンナーレ参加
1977年 ドクメンタ6にて「オイルプール」を発表、パリ青年ビエンナーレ参加
1997年 光州ビエンナーレ参加




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# by umigallery-san | 2018-03-31 14:28 | 日本人作家 抽象

榎倉康二 ドローイング作品

【作品のご紹介】

暦の上では春とは言え、まだまだ厳しい寒さは続くようです。

海画廊ではただいま「海画廊コレクション」と題し、国内外の有名作家の人気の絵柄や、気鋭の若手アーティストによる1枚などを多数展示販売しております。

今月のブログでは、新入荷の中からピックアップした榎倉康二の作品をご紹介いたします。


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Title: 作品
年代: 1982年
技法: 紙にボイル油、グラファイト
サイズ: 55.3×75.2cm
サイン:有
プライス: お問い合わせください


“榎倉康二”という作家をご存じですか?
一般的な知名度はそれほど高くないかもしれませんが、知る人ぞ知る、日本の美術史を語る上では欠かすことのできない重要人物なのです。

戦後日本の前衛芸術運動「もの派」のメンバーとして活躍した榎倉。

屋外でのインスタレーションや絵画、版画、写真など、実に多彩な表現方法を操った作家です。
中でも、水や油、土といった流動的な素材を用いた平面作品やオブジェが代表的なシリーズとして挙げられます。


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                 (部分拡大図)

今回ご紹介する本作品、左側には「ボイル油」という、絵の具やペンキの原料としても使われるオイルが紙にじわりと滲み、画面中央へと少しずつ浸食しながら広がっていくかのように見えます。

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                 (部分拡大図)


対する右側には、「グラファイト」による漆黒の世界。
紙に炭が塗り重ねられるガサガサという乾いた音が聞こえてきそうな荒々しいタッチです。
ところどころかすれたり擦れたりするその質感は、独特の存在感を湛えています。

私たちがある物事と対峙したり、空間の中で物質が起こす何らかの反応を、「浸透」「干渉」などのキーワードを手がかりに追求することを生涯制作のテーマとした榎倉。

こちらの作品も、シンプルな色彩と構図による画面の中に、「染み込む」「擦れる」という触覚を視覚的に刺激させる仕掛けが盛り込まれた、とても奥深い作品です。

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作品を引き立てる浮かしタイプの額装にてご紹介しております。
横幅80cm強の額サイズは、このように本棚やリビングのテレビボードの上、オフィスや店舗の壁面にも飾っていただきやすいおすすめの大きさです。

ただいま海画廊の店頭にて実際にご覧いただけます。
榎倉によって見出された素材の持つ性質や美しさを、ぜひ体感していただければと思います。




榎倉康二 Koji ENOKURA

1942年 東京に生まれる
1966年 東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業
1968年 同大学大学院修士課程修了
1969年 初個展を開催
1970年 第10回日本国際美術展出品
1971年 パリ青年ビエンナーレに代表作《壁》を出品、優秀賞(パリ留学賞)受賞
1978年 ヴェネチア・ビエンナーレ出品
1995年 東京にて死去






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# by umigallery-san | 2018-02-14 11:11 | 日本人作家 抽象

ベン・ニコルソン エッチング作品

【作品のご紹介】

明けましておめでとうございます。
寒さの厳しい日が続いておりますが、皆さまにおかれましては良き新年をお迎えのことと存じます。

2018年初回となる今月のブログでは、ベン・ニコルソンの銅版画作品をご紹介いたします。


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Title: Olympic Fragment 2
年代:1965年
技法:エッチング
サイズ:18.2×21cm
サイン:有
プライス: お問い合わせください


1894年、イギリスに生まれたベン・ニコルソンは、高名な写実画家であった父ウィリアムの影響を受けて画業を出発させます。
初期の具象作品には伝統的な手法の踏襲が見られますが、1920年代にピカソやブラックらキュビズムの先端様式に触れると、画面は次第に抽象性を帯びていきました。
その後、ヘンリー・ムーアやアルプ、モンドリアンたちとの交流によって、表現はいっそう自由さを増していきます。
代表作のコラージュやレリーフ作品は、20世紀の美術史にとっての大きな功績として、今も高く評価されています。


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今回ご紹介するエッチング作品、モノクロームの落ち着いた雰囲気と、繊細な線描がとても美しい絵柄です。
淡いインクのグラウンドの上に刻まれた幾何学的な図形は、どことなく彫刻の要素を感じさせます。


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奇をてらうことのないシンプルな線。

ニコルソンは、風景や静物などのテーマを独自の抽象表現で解釈し、突き詰めていった画家です。
こちらの作品も、丁寧に引かれた線が次第に山並みや建造物のように見えてきませんか?

「具象」と「抽象」の境界はどこにあるのかを、ふと考えてしまう奥深い作品だと思います。

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シルバー箔を施した細身のフレームを合わせてみました。
和洋どのようなお部屋にもコーディネートしやすいすっきりとした印象です。

ただいま海画廊の店頭にて展示販売しております。
ぜひご来廊の上、ご覧くださいませ。



ベン・ニコルソン Ben NICHOLSON

1894年 イギリスのデナムに生まれる
1910年 ロンドンのスレード美術学校入学
1911年 同校を中退後、本格的に制作を開始
1933年 抽象芸術グループ「ユニット・ワン」を結成
1934年 ヴェネチア・ビエンナーレ出品
1944年 リーズ市立美術館にて初の回顧展開催
1956年 第1回グッゲンハイム国際絵画賞受賞
1957年 サンパウロ・ビエンナーレ出品、絵画部門国際賞受賞
1969年 ロンドンのテート・ギャラリーにて2回目の回顧展開催
1982年 ロンドンにて死去



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# by umigallery-san | 2018-01-18 10:26 | 外国人作家 抽象