【作品のご紹介】
例年にも増して暑さの厳しい今夏。
皆さまご体調を崩されてはいらっしゃいませんか。
夏のレジャーをお考えの方も多いのではないでしょうか。
今月のブログでは、見ていると無性に山に登りたくなる作品を2点ご紹介いたします。
「山の版画家」として知られる畦地梅太郎。
初期には都市の風景などを描いていましたが、1930年代になると山岳風景や山男シリーズを熱心に主題として取り上げるようになります。
温かみのある木版の味わいや題材への愛着を感じさせる作風から、没後20年近く経った現在も、多くの愛好家たちに支持されています。
Title: 燕
年代: 1967年
技法: 木版
サイズ: 29.5×23.5cm
サイン:有
プライス: Sold Out
北アルプスの中でもとりわけ人気が高い燕岳。
別名を「頂上の小屋」というこの作品、1967年に刊行された木版5点入りの版画集『山―北アルプス』に収録されたものです。
赤い屋根が特徴の山荘は、描かれた当時の面影そのままに今も多くの登山者を受け入れています。
自ら山に登り取材をした上で制作をしたという畦地。
雲ひとつ無い晴天、頂上にぽつんと見える小さな小屋は畦地の心をさぞ癒したのではないか、と想像させられる1枚です。
Title: 雪山の遠望(大野ヶ原遠望)
年代: 1940年
技法: 木版
サイズ: 29×40.7cm
サイン:有
プライス: Sold Out
一方、こちらは四国カルストの西側に位置する大野ヶ原を描いた作品です。
四国有数の酪農地帯として知られ、「日本のスイス」とも呼ばれている大野ヶ原。
畦地は、雪の積もるかの地の情景を、少し離れた場所から切り取っています。
そびえる山々の先に見えるなだらかな丘陵は、見るものをほっとさせる何かを感じさせます。
畦地はスケッチをしたこの場所から大野ヶ原を目指し、歩を進めたのかもしれません。
古い年代に作られていますので、シートにヤケなどの経年変化が見られますが、入荷が難しい大変貴重な作品です。
山を愛し、自らの足でその土地の感触を踏みしめた画家にしか描けない、郷愁と愛情に満ちた作風が畦地の魅力です。
「山に登りたくなる絵」。
共感していただける方がいらっしゃれば幸いです。
ぜひ店頭にて木版ならではのぬくもりも併せてご体感くださいませ。
皆さまの海画廊へのお越しを、スタッフ一同心よりお待ち申し上げております。
畦地梅太郎 Umetaro AZECHI
1902年 愛媛に生まれる
1920年 画家を志し上京
1926年 内閣印刷局に勤めながら仕事の合間に鉛版画制作
1932年 日本版画協会会員となる
1944年 国画会会員となる
1953年 第2回サンパウロ・ビエンナーレに日本代表として出品
1956年 第4回ルガノ国際版画ビエンナーレ(スイス)に参加
1971年 代表作「頂上の小屋」、「涸沢の小屋」など5点が宮内庁買い上げとなる
1985年 愛媛県教育文化賞・愛媛新聞賞受賞
1999年 東京にて死去
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